歴史は繰り返され、人々は過ちを繰り返す。何故なら不完全だからだ。しかしそれは後世
で教訓として流布され、後者の助けとなる。不完全……否、バカであるからこそ後の啓蒙
となる。それに、史実とは面白い。興味深い。
だけどそれは傍から見ればの話で、当人達は苦しみの最中に居た筈だ。

……何の話かって?
また体をやっちゃったんだよね。酒飲んで寝て起きたら吐き気と全身からの汗が止まらな
くて、暫くの間動けなくなってしまった。初めは原因が分からなかったものだから、救急
車を呼ぼうかと迷ったくらいだ。(だが、動けなかった)

俺はバカだ。色々病気をやっているのに懲りないのは、やはり親父譲りなのだろう。
ちなみに原因はカフェインやアルコール、睡眠不足、過労。日勤からの夜勤という流れで
発症する。要因が幾つか重なった時、起こるようだ。症状からして低血圧のかなりヤバい
ヤツ
(ベッドから起き上がれず、意識が混濁してしまう状態)なのだろう……。メシは食
えたから、胃腸は正常に機能しているみたいだ。

俺の体よ、アルバムリリースのその時まで保ってくれ……。

※すげぇ長文です


今回は啓蒙活動だ。特筆して食生活にフォーカスしていく。
前回の投稿はこちらで、最近スタジオの歌唱が安定してきた、という話だったのだが……
ぶっちゃけ、前回の記事は歌に関して一切触れていないので、コチラから読み始めても大
丈夫だ。

端的に言うと、今回は『パフォーマンス性能を上げる為に、カフェインを絶つ』話だ。
お前は絶てていないじゃないか、という意見は御尤もだ。しかし、前述の珍騒動は歌う日
以外の出来事であって……まぁ、信頼できる話なのかはクラブチッタの歌唱クオリティを
参照していただきたい。

ルーティングにおいて研究中の人はたくさん居るだろう。日々の運動や大会、ステージ。
アスリートやパフォーマー、そしてミュージシャン。
そもそも、ルーティングを探るようになる経緯って大体みんな同じで、何か分からないけ
ど、凄い体調が良い日を経験したからだと思う。「あれ? 今日めっちゃ動ける!」とか
「体がスゲェ軽い!」みたいな。それを体験していながら、ここぞという場面で力を発揮
できなかったという悔しい思い出がある筈だ。

昨年胃潰瘍になって、食生活には注意を払うようになった。そこで気付いた事があるのだ
が、カフェインをやめると、運動パフォーマンスが上がった気がするという事だ。
カフェインって筋肉の収縮を手助けするから、以前の俺は好んで愛飲していた。
飲んでいたのはデカビタ。何故コーヒー・紅茶じゃないかと言うと、今も昔も胃が弱いか
らなんだけど。それにジュースは甘くておいしい。
カフェインによる胃酸分泌によって胃炎になったり、歌いたい時に気持ち悪くなってしま
ったりという悲しい出来事があった。
筋肉の収縮は助けるのかもしれない。だけど内臓はその限りではないみたいで。個人差は
あれど、コーヒーとかエナドリとか、カフェインは胃を荒らす。筋肉の収縮をなんとかし
たいなら、ストレッチとウォーミングアップで何とかするべきなんだな。
まぁ、そんなこんなで、カフェインを絶って歌うようになった。
そもそも調子が良い日はカフェインなんか摂らなくても歌えていた。だから、歌のコンデ
ィションにカフェインは関係ないって事は薄々勘付いていたんだけど。
胃の調子が良ければコーヒーも飲める。胃の調子が良いだけなのに、摂取したカフェイン
のせいだと勘違いしていたってわけだ。……エナドリだったら炭水化物も摂れるし。

じゃあ何が関係してくるのか。ストレッチとかウォーミングアップとか、前日に体を動か
したか、歌ったかどうかだ
。それから炭水化物とプロテインの摂り方と、摂るタイミング
だ。偏に食生活のバランスとも言い表せる。
肉体労働に転職して体力が付いた。純粋な筋肉量も増しただろうけど、プロテインを摂る
ようにもなった。つまり筋肉を増やす事は大切だろう。歌う時に使う筋肉は声帯だけでは
ない。
それに準じて必要になってくるのが、筋肉を動かす為のエネルギー源、炭水化物だ。これ
を本番のちょっと前に摂取。普段は気にせず食べて良いと思うけど、本番の前にはプロテ
インと一緒に炭水化物も摂りたい。
逆に炭水化物だけだとパワーは出ないから、どっちも必要だ。胃に何か入っているとパフ
ォーマンス性能は下がるから、摂取のタイミングは胃のコンディションと相談しなければ
ならない。
俺の場合、歌う瞬間の一時間前から二時間前を目安にしている。以前は揚げ物(チキン)
を食べていたんだが……胃が若干もたれるという結論に至り、今はプロテインバーになっ
た。エナドリを飲みたい所だが、カルピスにしている。炭水化物をジュースで摂取するメ
リットは、その消化の良さだ。だって液体だし。
カルピスって500mlのペットボトル1本あたり、たんぱく質が1.5g摂れるんだよね。
ジュースってタンパク質の含有量軒並み低いかゼロ。だから、少しでも摂れればいいなっ
てのと、あとは胃潰瘍の時にカルピスだけはギリギリ少し飲めていたっていう経験則から
カルピスに落ち着いた。


カフェインではなく、本気の時に食べる食料。こっちの方が百億倍関係してくるよね。
で……身近に一人、ほとんど話した事はない人だけど、割と知名度の高いバンドのボーカ
ルの人が知り合いで。その人がツイッターでカフェインもアルコールも摂取しないってツ
イートしていた。その時は「この人もか」程度にしか考えていなかったんだけど。
UVERWORLDのTAKUYA∞もカフェインとアルコールやらないって、本人のブログか何か
で知って、俺の中で確信に変わったね。

本番でシャキッとしたい。「よし、カフェインだ!」っていう気持ちは今も俺の中にある
けど、それって間違った知識だと思う。実際、キンキンに冷えた炭酸水でもシャキっと出
来るわけだし。安直にカフェインを思い浮かべてしまっているだけなんだろう。
肉体で記録を出したい時、カフェインは確かに筋肉に効くのかもしれないけど……同時に
内臓に負担を掛けている。結果、プラマイゼロなんじゃないかなって
個人差はあるから分からないけど。

本番前に緊張して気持ち悪くなった時、「でも、何か食べなきゃ」という強迫観念に襲わ
れる事があるならば、ジュースでいいと思っている。ウィダーすらキツイ、だけどジュー
スやアイスはイケる時はある。
胃潰瘍の時、地獄の肉体労働に行くのに飯が食えなくて、ハチミツだけ舐めて出勤した事
があった。だけど夕方まで何とかなったんだよね。……ヤバかったけど。

肉体って力を絞り出せるみたいで、一日何も食わなかった場合、蓄えた脂肪や筋肉が使わ
れる。筋肉は消耗品だ。減ったら補充すればいい。ルーティングが数日必要になる場合は
さておき、本番が一日あるだけなら、無理して口に入れなくていい。
だから、カフェインで何とかしようという考えの人は、今一度ルーティングのプランを見
直すべきかもしれない。

ちなみに、アルコールの話が出たのでちょっと掘り下げよう。
「アルコールやらない」にも色々ある。B’zの稲葉さんは酒を飲む時はある。けどほぼ飲
まない。これはラウドネスの二井原実との対談で言っていた。ちなみに二井原さんは飲む
様子だ。同じくメタルで例を出すと、Hibriaの元ボーカルのユーリは、バンドのタスクが
全て終了して暇な時しか飲まない、みたいに言っていた。
飲むんだけど、歌にはもろに影響が出るから普段は飲みませんって人が多い。ちなみにガ
ルネリウスの小野さんは下戸らしい。小野さんが50歳くらいの時、あの人の教室に通って
いたけど、カフェインと煙草はバリバリやっていらっしゃった。本番前にカフェインを摂
るのかは不明だけど、小野さんは本を出しているので、気になる人は買ってみると良い。
ちなみに実家に一冊ある。食生活等、普段どう過ごすべきかはあまり書かれていないが。


さて、殆どの読者が離脱している頃だろう。そろそろまとめに入る。ここまで説明してお
いてなんだが、俺、コーヒーも酒も普通に飲む。「矛盾してるじゃねぇか!」って思うだ
ろう。でも、ちゃんと制約があるんだな。
コーヒーは寝起きに一杯だけやる時がある。でも毎日は飲まないし、カフェインに弱くて
腹に影響が出るから歌う前後は決して摂取しない。昼以降は飲まない。そんな感じでルー
ルを設けている。
付き合いで「ちょっとコーヒー飲みませんか?」も9割は断っている。……喫茶店には行
くけどね。注文するのはジュースとかスイーツだ。

で、酒は歌う日の前日にちょっとだけ飲む。飲む、飲まない、で言えば俺も飲まない派だ
けど。寝る4時間前までには、晩酌は必ず終了させる。
何故飲むのかと言えば、筋肉を弛緩させたいんだよね。
普段やっている俺のバイト。スゲェ肉体労働なんだよね。一日10kmとか余裕で歩いてい
て、酒の入ったケースをひたすら運んで、ひたすら走り回って。上から下まで全身ボロボ
ロになるのが日常で……だけど、歌う日の前日は必ず帰ってきたら歌の練習をする。
すると声帯も疲労する。この全身ズタズタの状態を少しでも多く弛緩・休ませたくて、ほ
んのちょっとだけ飲むことにしている。最高のコンディションを出せているのかは分から
ないけど、以前よりはかなり良くなった。

そもそも歌う日の前日にボロボロになってるのはどうかと思うけど。前日に体を動かして
いた方が、俺は良いようだ。
TAKUYA∞は毎日10kmランニングしているらしいし、トレーニングメニューと考えれば
悪くはない。肉体労働がウェイトトレーニングにもなっているし。

最後に言っておくと、俺はアマチュアだ。アマチュアが言っている事だから、信憑性に関
しては保証できない。でも、ルーティングは固まって来たなと感じたので、また記事にし
た次第だ。この先更にストイックになってカフェインを完全に絶つ日が来るかもしれない
し、稲葉さんみたいに楽屋でハーブティーを飲み出す事だって、充分ありえる。
実際、歌う時の精神状態に関与するので、ハーブティーは凄い有効ではある。……手間だ
し、荷物になるけど。
まとめると、酒やコーヒー、たばこ等。絶たなければいけなくなった時、三流はこれら嗜
好品を絶てない。二流は絶てる。
一流は……絶てる上に技術、パフォーマンス、カリスマ性、全てのステータスを兼ね備え
ているのではないだろうか。

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