日清食品は犯罪だと思う。

スープは言わずもがな、長年に渡って頂点に君臨し続けたその革命的な技術から分かる通り、麺の美味さが違う。
エースコックやマルちゃんがダメとは言わない。
(今知ったけど、マルちゃんって東洋水産って会社が作ってんだね)

ざっと調べた所、創業したのはどこもそんなに変わらない。戦後だ。ただし、日清食品が一番早かったみたい。
それに、エースコックは当初パンやお菓子も作っていたり、マルちゃんが他の加工食品なども扱っていたりした中で、日清食品だけはインスタントラーメンを追求し、重きを置いて開発していたようである。
結果出来たのが、この味だ。
この美味さは、犯罪だ。カップヌードル、どん兵衛……俺のようなジャンクをこよなく愛する町田(ジャンク)に生まれしジャンクマンは、日清食品を敬愛する。

え?バンドの話をしろって?
ハハッ……何を今更……。このブログは公式だけど病気だって事くらい、知ってるだろ?

この前、お仕事を頂いた先方にお呼ばれして色々と話をしていたら「君は闇堕ちしやすいタイプだね」なんて話があった。
俺もそう思う。「俺ってメンタル弱ぇな……」と思う時が結構ある。
アニメを観ていて急に泣き出したり、歌っていて急に涙がこみ上げてきたり。一人枕を濡らし……あながち嘘じゃないのが怖い。
極めつけは高校生の時の、ドラマを見て感動して泣きながらシコるという曲芸が、俺という人間の不安定さを雄弁に物語っている。
まぁ、だから闇堕ちしやすいっていうか、もう堕ちてんだろうね。ドブ沼に。
で、たまに地上に浮上しているだけなのかもしれない。

こんばんは、ロイドです。今回は日清食品へのラヴ・レターです。

ちなみにカップヌードルで一番好きな味はカレーとチリトマトで、19歳の時に初めてチリトマトを食した時からそれはずっと変わらない。
そして敬虔な信者である私は新商品が出るたびに買っている。どれも美味いよね。
さておき。そんな俺だが、どん兵衛を食べていると優しい気持ちになれる。
どん兵衛にはそばとうどん。大きく分けて二種類あって、恐らく大抵の人間は「どちらでもいい」とか「別に、拘りはない」みたいな意見を言うだろう。
これ……余談だけどアサウラさんって人が書いているベン・トーというラノベがあって、そこでも結構語られている。俺がベントーを好きな理由の一つでもある。
実際はそれぞれに良さがあり、日清食品の技術が感じられる。少なくとも俺はそう感じている。

麺の食感やテイストが美味いのは間違いないから、何も言わない。企業の純粋な努力の結晶だと思う。論点は中身だ。
お揚げの甘さをジャマしないよう、シンプルに魚介(鰹か)の濃いめのつゆで仕上げた、うどん。言わばカップ麺界のアイアンメイデンもしくはジューダスプリースト。
ストレートな中に光る至高の味が、そこにはある。お揚げの厚さも丁度良い。
うどんに関して、多くを語る必要は無い。日清食品がシェア一位だという事を、試食する事で分からせるからだ。

逆にシンプル路線ではなく、かき揚げが入っている事と、そばの風味を考慮して(恐らく若干)うどんよりも味をマイルドに仕上げているそば
しかもそのかき揚げは後乗せでサクサク……いや、かなり硬めに仕上げられている。浸してからも暫く食感が楽しめるように、だ。
しかも、かき揚げ自体、上層に桜えびを固めつつ、中に空洞を作る事で軽量化し、立体的に作られている。これが何を意味するかと言うと、
完全に漬かってふやけるまで、時間がかかるという事だ。その分、長く食感を楽しめる。多分、このギミックに気付いたのは俺だけなんじゃないか?
そして、つゆを吸収して完全にふやけたその時でさえ、ふわりと口の中に広がって美味い。
一体どれ程の研鑽を積んできたというのか。メロディカルさと確かな技術が光る、カップ麺界のハロウィン、いやストラトヴァリウスかもしれない。
公式で生卵をトッピングするのも良いと記載されているのだが、そんな事しなくてもこの時点でピカイチだ。
ただし、割ってもいい。卵を。そうすればシンフォニーX、キャメロット……きっとパワーメタルからシンフォニックメタルやプログレ感を味わう事が出来るから。

うん、分かっている。この記事を読んでいる奴なんてほぼゼロだって事を。
余程の暇人か、インスタントラーメンの開発チームだろう。あとは幾ばくか、僕を応援してくれている心優しき人達。
でも最後に。どん兵衛が凄いのは味だけじゃないのよ。
カップを持った時、安いサードパーティ製品だと容器が薄くてお湯の熱が辛辣に伝わってくる事がある。どん兵衛にはそれがない。
俺の敏感な手の平では、一番程よく温かさを感じた。「美少女DD系DTMerDT」と名高い、DTの柔肌で、だ。
きっと俺のような童貞が……いや企業努力の一つだな、これは。
購入して、5分待って、食って終わり。でもたかがそれだけに、身命を費やして製作(いや、もはや芸術だから「制作」か)をしている人間が居る。
即席麺なんて言われている。何も感じ無い人も居る。企業の努力にだって気付かないだろう。……だけど!!

何だか、どこかに親近感を感じるんだよね。音楽をやってて、「バンド?良い歳して何してんの」なんて言われている。
見向きもされない。努力も評価されない。だけど、真剣に取り組んでいる人間がそこには居る。
最近、そういう、小さな技術・変化に気付くようになった気がする。
市場に出回っている物は、そうやって皆努力しているんだと思うと、「俺は闇堕ちしてる、既に」なんて自嘲する自分に対して情けなくなってくる。

長く続けば色んな事が起きるし、迷うこともなる。カップ麺だって伸びて味がよく分からなくなってくる。
でも、求めていたものは、見たかった景色は、その先にしかない。
どん兵衛の「どん」はうどんという意味と、「どん臭い」から来ているらしい。スマートからは程遠いけど、ほのぼのとした温かさと頑固さや実直さを表現しているのだとか。だとしたら正解だよなぁ。少なくとも一人、そのネーミングを知る前に、温かさ、優しさを感じた俺が居るのだから。
どん臭くてもいい。ドブに堕ちたっていい。それで先へ進めるなら。
うん。何を言ってるんだろうね、オレは。

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