ここだけの話。

私は数年間、小野正利さんのもとでボイトレを受けている。

理由はハッキリ言うが、「意識」のためである。「自分は高い月謝を払っているのだから、
頑張って上達しなければならない。」という意識を造りだすため、その為だけだと言いたい。
なぜならば小野さんと私では発声法の元が違い、そのため他の知識を深めることは出来ても
自らの発声法をよりよくすることにはあまり関与できていないから、と言えるからである。

小野さんの歌唱力自体、疑いの無い実力である。You’ re the onlyを聞いてみてもガルネリの曲を聴いてみても
ライブでの様子を見てみても、それは間違いなく、流石紅白出場者というレベルで、何一つ私から言うことなど戦々恐々、恐縮で出来ないのだが……

あの方自身ミドルボイス、ヘッドボイスという概念は持っていないようである。存じているがあくまで「全て歌声」、地声から裏声にチェンジはするが
一貫しているらしい。そして、あの中音域から高音域を「鼻腔の響き」だけで声を作っている、ないしコントロールしているらしい。
それ自体が化け物じみた技術ではあるのだが、この場合ボイストレーニングを受ける人は
裏声成分にエッジボイス(呪怨とかのア”ア”ア”ってアレ)を足して、ミドルボイスを作って……という発声の人にはレッスンがあまり向かない
ということを念頭に置かなければならないと思う。

勿論それらの知識は「考えないほうがいい」と
するボイストレーナーも多いし、私も多少賛同する身ではある。頭でっかちになり過ぎるのは良くない。喉は視覚的に見えないものだから。

だが元理系の人間だからか、私は知識欲が強く、そういった知識や学問を追求することが好きな人間であり、
ミドル、ヘッド……などについて独学で長くに渡って調べてきた。ふと、小野さんがエッジを足したミドルボイスを出していないことに気付き、
そして今後、私の後に追う者が現れた際に、小野さんの中身を知っている私から一言アドバイスが出来れば、と思い今日は書いていた。

それでもレッスンは通い続けるつもり。根本が違うなら何のために高い月謝を払って通っているのか分からない、とも思う。だが
一つ言うと、どこかのボイストレーニング教室でレッスンを受けていないと落ち着かないということは、ある。
前にもあちこち通っていた。ボーカルスクール、次にクラシック、次にプロバンドマンの……。そういった一つの流れに過ぎない。どこかで師事していないと、どこかに居ないと、歌から離れて行ってしまうのではないか、と怖い。だからだ。

それに全く通ずるものが無い、という訳ではない。同じメタルでありハイトーンでありっていうもの自体、最終的に長くやって行って皆が到達する場所っていうのは似ているから。
喉への負担、スタミナ、響き、出しやすさとか、そういったものを追求していった先、落ち着く場所っていうのは大体似たようなものだ。

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