やあどうも。
フリアズの新作「RESET MEGAMI」がリリースされて約一か月が経ちました。
みんなは聞いてくれたかな?
まだの人は↓Spotify↓で聞いてみてね!
https://open.spotify.com/album/6EBSMA9IeWNi7KejM2K4ge
ついでにベン・フィリップス(Ben Phillips)の動画も貼っておく。
さて、たまには音楽の話でもしようか。
上のミニアルバム(?)の中で、2曲目のVersusが一番お気に入りなんだけど。
理由は楽曲のクオリティもそうだけど、ミキシングが現状で満足行くレベルでリリース出来たから。
「曲のクオリティが良い」「仕上がってる」「良いサウンドだ」、なんでもいい。曲の出来が良
い……そう感想を述べた時、今の俺の中では二種類の意味があって。
一つ目は音符的な意味で、コード進行やメロ、ギターのフレーズからドラムのフィルまで。リズムや
テンポもそう。それらが結果的に良い仕上がりになっているという事。通常、「良い曲だ」って言わ
れたらこちらをイメージするのが大衆的ではなかろうか。云わばコンポーズが良く出来ている。
もう一つはミックスの意味合い。それは今までの知識で言うとエフェクトの賭け方やレベル、パンニ
ングと称せるのだが、ちょっと違う。
例えばストリングスのメロが繰り返し流れるとして、ただ左右に広げただけでは味気ない仕上がりに
なる場合がある。後者の意味合いでは、「良い曲」はこのメロを一周目では左、二周目では右から鳴
らしたりとか、段階的にパンを掛けたりする。聞き手を飽きさせない&盛り上がりを考えて仕込まれ
た、プロの技巧を指す。
造語になるけどミックスプロデュースがしっかりしてて、特に空間での音の配置がうまい。
そういう仕組みに気付いたのはここ一年だか半年くらいだと思う。そのトリックに気付くと、色んな
神曲でテクニックが実施されていた事が分かった。勿論、俺の好きなKamelotでもね。
つまり古今東西、良い曲だなぁと漠然と感じたらコンポーズだけではなくミックスもキレイに行って
いる場合が多い。というか殆どだ。
一言で表すなら「芸が細かい」って事だな。
今回、その良い例をポケモンで提示してみる。
1番Aメロの左右のギターフレーズ、2番Aメロで右で鳴るライドシンバル。
それから2番Bメロでピアノに変え、印象を変えるというのはコンポーズ的な面で良い。ラストで変
化球のセクションを持ってくるのもスゲェ好き。
ギリギリプログレッシヴにならないラインを守りながら、作曲面で「良い曲」に仕上がっている。
イントロはギターの音を左右で微妙に変えて、左右のステレオ感を強調している(よね?)
これは良いミックスの例だし。しかも薄くオルガンが鳴っていて、殊更左右の広がりが感じられる。
サビの「いくぜ!」のコーラスはMS処理による効果で、メインメロとの対比、聞き心地が良い。
そうやってリズム、メロ、コード進行などのコンポーズクオリティだけでなくミックス(空間のコン
トロール)によって、聴感上の気持ちよさによって、1番があっという間に過ぎる。
だが、重要なのはここから。……2番のAメロ、Bメロだ。
1:14のハーモニクス(左右)とドラム(センター)が入るのは大切だ。
が、その直前の「ザザッ!」という瞬間的なサウンドFXが左右に配置されている。センターではな
く左右だ。
そして、その前にはライザー(リバースシンバル)が鳴り、ブレイクを挟み……ハーモニクスという
流れなんだが。流れは作曲者のスキルとして、音の配置がまた絶妙だ。
ブレイクに入るまでは、エレクトロなパーカス(名前が分からん)が鳴っているし、そう。ドラムも
そうなんだが……ライドやタムを叩くセクション、叩かないセクションを分ける事で、1番と2番との
違いをコンポーズ的な意味だけではなく、ミキシング的な側面でも味付けしているように感じる。
ブレイクの「ドォン……」という残響にも匠のこだわりを感じるんだよね。
左右や音の配置、空間コントロールも含め、そういったトータルプロデュースの高さが窺える。
ミックスが出来るのは当たり前で、ミックスして最終的にどう仕上げるのかっていうプロデュース能
力が備わってこそ一流なのでは、と常々思うようになった。
芸が細かいけど、こういう深みでもって、聞き手(が気付いているかはともかく)を飽きさせず、
良い曲へと仕上がっているんだな、と。
ミックス誰がやってるんだろう。佐香智久さん、Sakuさん……?ウィキ見ても分からんな。
アニメ版の金銀の主題歌「OK」っぽいイメージでありながら、格段に音質の良くなったサトシの声
は濡れる。歌手活動のお陰か、歌も当時より上手いしね。
尚、当時のミックスも聞くと参考になる。やれる事が少ないあの時代、左右への広げ方とか結構考え
られているだなってね。
とりあえず言えるのは――
ブラックホワイトで止まった十一年前のポケモン熱を再熱させるほど、良い曲だった。ヒカリやハル
カを密かに性的な目で見ていた事を懺悔したいぐらいだ。だがヒロアカと似ていて、ポップな絵柄に潜むエロスに俺は気付いているぞ、ゲームフリーク!!
これも素晴らしい出来で曲のクオリティが高い。リリース当時「歌い手乙」みたいな批判はあった
が、俺は一切文句がなく、お気に入りだ。今の子供達が大人になってカラオケで歌うようになり、そ
して今おっさんである俺すらもカラオケで歌うようになるであろう、久々に興奮してしまった曲だ。
歌メロはキャッチーだし、盛り上がりも意識されている。ギター、ドラム、ツインボーカル、そして
ゲームボーイの起動音やモンスターボールのSEを入れるなど、斬新さもスゲェ。本当にカッコい
い。サビの展開も好き。
ただ、楽曲への解像度が上がった今、気になる部分もある。歌のダイナミクスを維持する為なのかも
しれないが、もう少しAメロの音量を上げても良いかもと思ったり、3:40のピコーンは二回目でクド
イかな……?なんて思ったりした。あと、このSEは配置する場所を左右に広げたり変えたりしたら
どうなるんだろうか。ブレイクをなくしても良いようにも感じる。……と言うと、コンポーズの側面
が気になっているのかもしれない。
あと男女ツインボーカルあるあるだけど、ハモらせた時にどちらかの歌メロがキャッチーでなくなる
場合がある。ハモリだからしゃーないとも言えるが、同じメロを歌わせるという手もあるしね。
ミックス自体はまふまふさんがやっているから、本職のプロのエンジニア達ならばどう処理したのだ
ろうか、と気になる次第だ。
ただ、芸は細かいし、コンポーズもミックスも、そういう部分は流石と言わざるを得ない程しっかり
している。良い曲だ。
恐らく俺が気になっているのはそういった個所ではなく……空間のコントロールだったり、トータル
でのプロデュースや仕上がりにおいて、サトシよりも甘さを感じた。
1番と2番での味付けの違いは気になる。。二回目も同じ位置で鳴るシンセと
か、ストリングスの場所とか。これを変えたら……と思った。だけどツインボーカルだしね……。
うーん、分からん!
こんな事を言っているとファンからバッシングを受ける事だろう。そらる氏もまふまふ氏も知ってい
るし、凄いのも承知だ。2010年以前からニコニコ動画やってたし!
そもそも求められている楽曲がポップでユニークなもの、っていう縛りがあったかもしれないしね。
それに応じてこんな曲を作れるのはスゲェし、繰り返し言うがこの曲は好きだ。
そういや、もう二十年以上旅を続けているサトシは「いつになったらポケモンマスターになるんだ
よw」なんてバカにされていたけど、七作目のアニメシリーズで優勝してたんだね……。それだけ長
い時間を掛けなきゃ夢は叶わないという事。よく主題歌の歌詞に出てくるように諦めない、進む事が
大切なんだと……サトシは、否任天堂は教えようとしているのかもしれない。週刊少年ジャンプと同
じで基本アツいのよなぁ……。
一昔前は「ポケモンやってる」って言うと「キモイ」とか「オタク」とか言われたけど。今の二十代
以下が積極的にポケモンをプレイしていて、それに加えてタレントや意外な人、無論老若男女、
VTuber、海外勢なんかがポケモン≠オタクを広げてくれたように感じる。
スケボーで金メダル取った堀米君もそうか。カビゴンが好きって言ってたし。
とにかくサトシ、おめでとう。俺もクリエイティヴ、続けるぜ!!
ミックスでの空間コントロールやトータルでのプロデュース能力が高い例をもう一つ上げる。
MYTH&ROIDはヤベェよな。ずっと前からそう思ってる。オバロ、リゼロあたりでリアルタイムで
見て知って「いいな」とは思っていたけど。
解像度の上がった今、クオリティが高すぎて、直視できない。
このシンセサウンドはマネ出来ないが、今改めて聞くとコーラスとかのエフェクトを掛けるボーカル
と、掛けない部分のボーカル。この対比でもって、左右への広がりや、リスナーを離脱させないテク
ニックを作り出していると思える。(上のXY&Zもそう)
シンセも左右の位置を変えたり色々やってるよな……。まぁ、こっちはTom-H@ckの息が掛かってい
るから……。クオリティが低いわけがない。
長い説明になってしまったが、そんな感じでミキシングの重要性というか、色々見えるようになった
部分がある。
ただエフェクトを掛けるのではなく、単にパンを振るのではなく、という事だ。
ステレオイメージャーを使うにしても、掛けっぱなしではなくオートメーションで曲の中に動きを作
る、とか。
そういうのがある程度分かった段階でフリアズの曲をミックス且つリリース出来たので、現状満足し
ている。
最後にタイトルを回収する。
少年がドラゴンボールを読んでいて、大人になってもドラゴンボールを読み続けているというイラス
トを見た事がある。その横で、大人になって容姿や思考も成長した女の子が哀れげな眼差しで元少年
を見ているというヤツなんだが。
小学生の頃にポケモンが好きだった男は大人になってもポケモンが好きだし、アニメ・ゲームは今で
も好きだ。(やる時間がないから出来ていないが……)
男は成長しないとは言ったが、そうではなく……色んなものを吸収してそれでもやっぱり好きなんだ
っていう。きっと純愛だよね。そう思う。中学生の時にアニメ海溝っていうエロアニメサイトに迷い込んでからずっと、今でも俺は変態だしア
ニメ好きだ。色んな物を見てきたつもりだけど、やっぱり好きなんだろうね。